【賃貸経営5つのリスク!】アパート・マンション経営で失敗しない対策とは!?
はじめに
土地活用を考える中で、賃貸経営は資産運用や収入源として魅力的な選択肢です。その一方で、リスクに対して適切な対策を取らなければ、損失を被る可能性もあります。
実は賃貸経営で失敗する人の特徴として、「リスクをあまり考えていなかった」という人が多く存在します。賃貸経営を成功させるためにはリスクへの備えが大切です。
この記事では賃貸経営における代表的な5つのリスクと、そのリスクを予防・軽減するための具体的な対策について詳しく解説します。これからアパートやマンションの建築を考えている方は参考にしてみてください。
目次
1-1 )税金対策だけの目的で経営を始める
1-2 )収支の計算が甘い
1-3 )変化やトラブルに対応できない
2 )賃貸経営で対策すべき5つのリスク
2-1 )空室リスク
2-2 )建物老朽化リスク
2-3 )自然災害リスク
2-4 )家賃滞納リスク
2-5 )入居者トラブルリスク
3 )空室リスクの対策
3-1 )立地の特徴(強みや弱み)を知る
3-2 )入居のターゲットを明確化
3-3 )建物の魅力を高める
4 )建物老朽化の対策
4-1 )メンテナンスのしやすい設計にする
4-2 )事前の修繕計画
4-3 )長期的な費用を考える
5 )自然災害への対策
5-1 )ハザードマップを確認
5-2 )保険に加入しておく
5-3 )地震に強い建物にする
6 )家賃滞納リスクへの対策
6-1 )入居前の審査
6-2 )滞納時の契約の内容
6-3 )保証会社を利用する
7 )入居者トラブルの対策
7-1 )相談できる弁護士を確保
7-2 )ルールの明確化・明文化
7-3 )現地への顔出しと元気な挨拶
8 )まとめ
1 )賃貸経営で失敗する人の特徴
賃貸経営は立地の影響もありますが、失敗する人の多くに共通する特徴があります。失敗例からリスクへの備えの必要性と方向性を確認しておきましょう。
1-1 )税金対策だけの目的で経営を始める
土地は持っているだけでも税金が発生してしまうので、税金対策として賃貸経営をすることは有効な活用方法です。住宅として土地を活用することで固定資産税や相続税などが優遇されます。家賃収入が得られれば税金も支払いながら、余った分は収入にできます。しかし、これは賃貸住宅として健全な経営を維持していくことが前提です。
- 賃貸経営がビジネスであるという意識が低い
- 賃貸経営を不労所得のように勘違いしている
ということがあります。
アパートやマンションは建てれば勝手に入居が決まるわけではありません。入居者を獲得する戦略や努力、それを維持、管理する労力も必要になってきます。
アパートやマンションのオーナーになるのであれば賃貸経営というビジネスを行う心構えを持つことが大切です。
1-2 )収支の計算が甘い
賃貸経営を成功させるためには、しっかりとした収支の計算が欠かせません。多くのオーナーが、建物の建設費や初期費用ばかりに目を向け、運営中に発生するコストやリスクを見逃してしまいます。
特に、空室リスクは賃貸経営において大きな課題です。入居者がいない期間が長く続くと、家賃収入が途絶えてローン返済や維持費用が圧迫されます。入居者が計画通り集まらない可能性も考えた収支の計画が必要です。
また、金利の上昇や地域の変化なども考慮した長期的な収支を考えていく必要があります。
収支の変動や低下を予防するためにも、賃貸経営におけるリスクの把握とその対策が重要なカギとなります。
1-3 )変化やトラブルに対応できない
リスクへの対策ができていないと変化やトラブルに対応できず、経営がうまくいかなくなります。賃貸経営において、予期しない変化やトラブルは必ず発生します。
例えば、近隣の開発や交通状況の変化により、地域の価値が下がることや、法律の改正で新たな規制が導入されることがあります。また、入居者の生活環境やニーズが変わることで、賃貸物件に対する要求も変化します。
全てのトラブルを未然に防ぐことは難しいことですが、賃貸経営を行う上で共通する基本的なリスクは知ることができます。対策を立てておくことでトラブルが発生した際に迅速に対応できるとともに、損害を最小限にとどめるということにもつながります。
2 )賃貸経営で対策すべき5つのリスク
2-1 )空室リスク
賃貸経営における最大のリスクの一つが「空室リスク」です。
入居者がいない状態が続くと、家賃収入が減少するので、固定費用や税金などの支払いにも影響します。多くの部屋が長期間空室になることで収支に大きな影響を与えます。
- 立地とターゲットが合っていない
- 周辺環境の変化
- 建物のコンセプトが悪い
- 管理状況や評判が悪い など
空室リスクの原因を改善せずに放置すると、空室が長期化しやすくなります。空室が長期化した物件はさらに人が寄り付きにくくなり、悪循環が生まれます。
人が住んでいなくても建物は日々劣化していきます。空室状態が続けば、収益の悪化だけでなく、維持費や修繕費がかさむため、経営に大きな打撃を与える可能性があります。
空室リスクを軽視すると、最終的には賃貸経営そのものが成り立たなくなる危険性があるため、事前にしっかりとした対策が必要です。
2-2 )建物老朽化リスク
賃貸物件も時間が経つにつれて老朽化し、建物や設備の劣化が進むことで、さまざまな問題が発生します。
- 外壁のひび割れや雨漏り
- 設備の故障
- 給排水配管の劣化
- 耐震性の劣化
- 消防設備の入れ替え など
老朽化によるリスクを把握していないと、老朽化が進んだときに必要な修繕や入れ替え費用に対応できないことがあります。また、経年劣化に対する修繕を事前に考えておくことで、老朽化を遅らせたり、費用を抑えたりすることができます。
老朽化した建物は入居者が集まりにくくなるだけではなく、安全性にも欠けるので計画的な対策を行うことが大切です。
2-3 )自然災害リスク
自然災害も賃貸経営にとって大きなリスクです。適切な対策が取られていない意場合、住民に発生した損害の責任を負うこともあります。特に最近の異常気象の影響もあり、日本は様々な災害が発生しやすいので注意が必要です。
- 地震
- 台風
- 洪水
- 竜巻(突風)
- 落雷
- 大雪
自然災害は建物そのものに重大な被害を与え、建物の修復費用の発生や一時的に入居者が住めなくなり、家賃収入が途絶えるなど、経営にも大きな影響を及ぼします。
発生の予測が難しい自然災害だからこそ、発生したときのリスクを理解して適切な対策と備えをしておくことが大切です。
2-4 )家賃滞納リスク
家賃滞納は、賃貸経営において経済的な打撃を与えるリスクの1つです。入居者が家賃を滞納すると、経営者は安定した収入が得られなくなり、ローンの返済や物件の維持管理に影響が出ることがあります。
- キャッシュフローが圧迫され、他の支出に支障をきたす
- 滞納者との交渉や法的手続きが必要になる
- 対応の時間と費用がかかる
- 入居者との関係が悪化する可能性も
- 退去して空室リスクが発生する
アパートやマンションなど、多くの入居者が集まるほどさまざまな人がいます。賃貸住宅という特徴から家賃未納は発生しやすいトラブルです。未納が起きにくい仕組みづくりや発生したときの対応などの対策を事前に考えておくことが大切です。
2-5 )入居者トラブルリスク
入居者同士や管理者とのトラブルも、賃貸経営において無視できないリスクです。入居者トラブルによって退去や事件が発生すると、その物件自体の評判も悪くなり、入居率にも影響してしまいます。
- 騒音トラブル
- ゴミの不適切な処理
- 隣人トラブル
- 入居者との関係が悪化する可能性も
- 退去して空室リスクが発生する
が発生しやすくなります。
入居者トラブルは入居率低下だけではなく、管理業務の増加にもつながります。繰り返す入居者からの相談やクレームへの対応、ゴミの片づけなどの実働労務など、管理会社が入っていてもオーナーとして対応しなくてはならない場合があります。
入居者トラブルは発生してしまうとこじれやすいので特に注意が必要です。
3 )空室リスクの対策
賃貸経営において、空室リスクを減らすためには事前の対策が不可欠です。空室が長引くと収入が途絶え、経営に深刻な影響を与える可能性があるため、物件の立地や特徴を最大限に活用し、ターゲット層に合った戦略を立てることが重要です。以下の3つのポイントを押さえることで、空室リスクの軽減に繋がります。
3-1 )立地の特徴(強みや弱み)を知る
物件の立地は、賃貸経営の成功を左右する重要な要素です。物件が所在するエリアの特徴をしっかりと把握し、その強みと弱みを理解することが空室対策になります。
- 小中学校、医療施設、商業施設などのインフラが整っている
- 駅が近い
- 大学に近く学生の入居需要がある
- 大型商業施設が多く従業員の入居需要がある
- 駐車場が広く車で移動する入居者を確保しやすい
- 国道や高速道路が近く交通の便が良い
- 景色がいい
土地活用としてアパートやマンションを建てる場合、かならずしも強みばかりとは限りません。弱みがあるのであれば強みを活かしたコンセプトをアピールした経営を行っていくことが大切です。
3-2 )入居のターゲットを明確化
賃貸経営ではどのような人に住んでもらうのか、入居のターゲットを明確にしておくことが大切です。ターゲットを絞ることで、住みやすさや魅力を向上させ、入居率が高まり空室リスクを軽減させます。
ターゲットを明確にしない万人受けが適している場合もありますが、特徴の少ない住宅は逆に誰が住んでも住みにくくなってしまうこともあります。
例えば広さを考えたとき、独身でも家族でも受け入れやすくした場合を考えてみましょう。独身には広すぎて、家族では狭すぎる。結果としてどちらも住みにくい。ということが起きてしまいます。
ターゲットを選ぶ場合は周辺の需要を調査することも大切です。例えば、学生の少ない地域で学生向けアパートを建てても入居者は集まりません。賃貸経営を行う立地に、どのような人たちの住宅需要があるのかを調べ、ターゲットを明確にすることが大切です。
3-3 )建物の魅力を高める
建物自体の魅力を高めることも、空室リスク対策に有効です。
建物のデザインや設備を工夫し、競合物件との差別化を図ることで、入居者の目に留まりやすくなります。
- おしゃれで特徴的なデザイン性のある建物にする
- 女性向けのセキュリティー性を高める
- 防音、高断熱など快適性の高い住環境にする
- 収納の多さや使いやすいキッチンなど機能性の高い住環境
- 趣味の空間やペット可など近隣物件との差別化を図る
特徴やメリットが分かりやすく、魅力的な物件にすることで入居者の獲得を促進することができます。弱みが多く入居者を獲得しにくい立地でも、強みを作り出すことができます。
4 )建物老朽化の対策
建物の老朽化は賃貸経営における大きな課題の1つです。時間とともに設備や外壁などが劣化し、修繕費がかさんだり、入居者満足度が低下したりするリスクがあります。以下の3つのポイントを押さえて、老朽化リスクに備えましょう。
4-1 )メンテナンスのしやすい設計にする
建物の維持、メンテナンス費用を抑えるために、アパートやマンションを建設する時点でメンテナンスのしやすさを考慮しておくことが大切です。
メンテナンスがしにくい建物は手間や危険が伴うため費用も高くなります。安全で簡単にメンテナンスを行うことができればその分の費用を安くすることができます。また、日々のメンテナンスのしやすさが早期発見につながり、修繕費用が高くなる前に対応できるなどのメリットもあります。
メンテナンスのしやすい設計の例として、ルネス工法という設計方法があります。ルネス工法はマンションなどに用いられる工法で、梁や配管が天井ではなく床下にあります。この工法では給排水管のメンテナンスが床下で行えるため天井や壁を壊す必要がありません。そのため時間と費用を削減することができます。
メンテナンスのしやすい設計にすることは、結果的に修繕費用の削減だけではなく、入居者の満足度向上につながるため、賃貸経営として大きなメリットがあります。
4-2 )事前の修繕計画
老朽化の対策には、事前の修繕計画を立てることが不可欠です。建物の規模が大きくなるほど修繕やメンテナンスの費用が大きくなります。急に大きな費用を用意することは難しいので、あらかじめ建物や設備の寿命を把握し、適切な時期に修繕を行う必要があります。
- 屋根・外壁塗装
- ベランダや屋上の防水加工
- 給排水管の点検や交換
- 共有部分の照明や電気設備
- エレベーターの点検や整備
- 空調や換気設備の点検や整備
- 外構や駐車場の補修
- 敷地内の植木の管理 など
現状の賃貸物件を維持していくための費用を洗い出し、その費用を含めた家賃設定や共有の修繕積立金の設立などを行う必要があります。
4-3 )長期的な費用を考える
建物の修繕費用を抑えるために、長期的な視点でメンテナンスを行っていくことが大切です。安価な素材や設備を使用すれば初期コストは抑えられますが、長期的に見れば頻繁な修理が必要となり、かえって経費がかさむ可能性があります。
例えば
A:耐久年数が10年の外壁塗装100万円
B:耐久年数が20年の外壁塗装150万円
20年後
A=200万円
B=150万円
となります。
長持ちする素材や最新の設備に初期投資をすることで、長期的にはコストの削減が可能です。また、エネルギー効率の良い設備を導入することで、日常の運営費用も抑えられ、入居者にとっても魅力的な物件になります。長期的なコストパフォーマンスを見極めて、賢い選択をすることが大切です。
5 )自然災害への対策
自然災害は予測が難しく、賃貸経営において大きなリスクとなります。地震や台風、洪水などによる損害を最小限に抑えるためには、事前に適切な対策を講じることが必要です。以下の3つの対策で自然災害リスクに備えましょう。
5-1 )ハザードマップを確認
自然災害のリスクを軽減するために、物件が位置するエリアのハザードマップを確認することが重要です。ハザードマップは洪水や地滑りが起きやすい地域を確認することができるので、取るべき対策を明確化できます。また、頻繁に災害に合うリスクが高い場合は、賃貸住宅の経営には向いていない立地である可能性についても判断基準となります。
ハザードマップを活用して、物件の立地が安全かどうかを確認し、適切な防災対策を検討することが求められます。特に、賃貸物件の場合、入居者の安全を確保するためにも、事前の情報収集が大切です。
災害の多い日本では、このように事前の防災対策は住民の命を守るとともに、もしものときでも安心できるということが、賃貸物件の質を向上させることにもなります。
5-2 )保険に加入しておく
自然災害による損害を補うためには、適切な保険の加入が欠かせません。火災保険や地震保険をはじめ、水害や台風にも対応できる保険を検討することが大切です。
保険の内容は保険会社によって異なることもあるため、保証範囲や保証金額などについてよく確認しておきましょう。
ハザードマップなどを確認し、災害に遭う可能性が高い地域であれば、保険料が高くなっても手厚い補償がある契約を選ぶなどの選択肢もあります。
保険は、災害時に物件や収入を守るための最善の方法です。建物の復旧が早ければ、経営的なことだけではなく、住民の生活を復旧することにもなります。起こりうる災害を予測し、適切な保険を選び、リスクに備えておきましょう。
5-3 )地震に強い建物にする
地震大国と呼ばれる日本で、地震を確実に避ける方法はありません。地震に対しては発生したときに、どれだけ被害を食い止められるかということが大切です。
現在の新耐震基準による建物では震度6強~7程度の大規模地震でも倒壊しないレベルが求められており、旧耐震基準よりも耐震性能が向上しています。
6 )家賃滞納リスクへの対策
未納が続けば経営が不安定になり収入減少を招くため、事前に未納が発生しにくい対策をしておくことが大切です。以下の3つの方法で家賃滞納リスクを軽減しましょう。
6-1 )入居前の審査
家賃滞納を防ぐためには、入居前にどのような人かを見極める必要があります。空き室リスクを回避することも大切ですが、どんな人でも受け入れてしまうとトラブルが増え、逆に経営や運営を妨げてしまうことがあるので注意が必要です。
入居者の状況を確認し入居前の審査をしっかりっと行いましょう。入居審査ではトラブルを起こしそうな人かどうかを見極めると同時に、しっかりと家賃を払ってくれる人かどうかということも留意して審査しましょう。
- 収入状況
- 滞納したときの保証人の有無
- 常識(会話の感じで)
- 借金の有無や返済状況
収入状況や職業、過去の信用履歴を確認し、経済的に安定している人を選ぶことが滞納リスクを軽減する1つの方法です。
誰でも受け入れてしまうのではなく、お金のやり取りをしっかりと行える人かどうかを見極めることも賃貸経営では必要です。
6-2 )滞納時の契約の内容
家賃滞納リスクを減らすためには、契約書に具体的な滞納防止策を明記することが大切です。
支払い期限や遅延時の対応策、違約金などの条件を明確にし、入居者に責任を持たせます。事前に滞納時のルールをはっきりと伝えることで、入居者の理解を促し、トラブルを未然に防ぐことができます。
ただし、滞納時のルールはオーナー側の自由に決められるわけではないということに注意が必要です。賃貸住宅の場合は住宅ですので、住む人の権利も法律で守られています。
入居時の契約だからと言って「未納は即退去」のようなルールを作ることは出来ません。
法律に則った方法と期間で、適切な対応と手順を契約書に明記し、入居時にしっかりと伝えることで、滞納リスクが発生するのを抑制することができます。
6-3 )保証会社を利用する
家賃滞納リスクを減らすために、保証会社を利用するという方法があります。
保証会社を通じて契約を結ぶことで、入居者が家賃を滞納しても保証会社が家賃を支払ってくれるので、オーナーは未払いリスクを軽減することができます。
賃貸では契約を結ぶ際、保証会社に入ることを条件とすることが可能です。
保証会社を利用するメリットとして、保証会社も入居者の審査も行うため、信頼性の高い入居者を選定する助けになります。
注意点として、保証費用の発生や未納時の取り立てなど賃借側にメリットが無く、入居のマイナスポイントと思われてしまうことがあります。また、未納時に保証会社が入居者とのトラブルに介入する場合もあるので、対応が自分の方針と合うかを事前に確認しておくことも大切です。
7 )入居者トラブルの対策
入居者同士のトラブルや、管理者との問題は、評判や退去にもつながります。入居者トラブルを未然に防ぐためには、契約内容やルールを明確にし、入居者に理解させることが重要です。以下の対策を取ることで、トラブルのリスクを軽減しましょう。
7-1 )相談できる弁護士を確保
入居者トラブルが発生した際に、自分だけの知識や感覚だけで対処するのは危険です。賃貸住宅では住民にもさまざまな権利があります。誤った対応をすることで逆にオーナー側が罪に問わることや賠償を負ってしまうことがあります。
入居者トラブルに対し、迅速で適切な対応を取るためには事前に相談できる弁護士を確保しておきましょう。
弁護士と連携は法律に基づいた対応ができるため、入居者からの不当なクレームや訴訟リスクを避けることができます。トラブルが大きくなる前に、弁護士を通じて問題解決を図ることが、賃貸経営の円滑な運営にも役立ちます。
7-2 )ルールの明確化・明文化
トラブルを防ぐために、口頭での伝言やルールの説明は出来る限り避け、文章などで明確にしておくことが必要です。
複数の人達がルールを同じように解釈することは簡単なことではありません。口頭で伝えることは照明ができず、後から「言った、言わない」のトラブルへ発展しやすくなります。
口頭ではそのときの感情や声質、前後の会話などから解釈の誤差も大きくなります。
トラブルを未然に防ぐためのルールが、誤解によりトラブルを増やしてしまうことがあります。
物件内でのルールは明文化し、入居者全員に理解してもらうことがトラブル防止には欠かせません。文章にして全員に配布することで共通認識しやすく、忘れた場合や違反した場合にも後から見返すことができます。
7-3 )現地への顔出しと元気な挨拶
入居者トラブルを未然に防ぐ方法として、ご自身で管理を行う場合には、こまめに現地へ訪れることや、顔を見て元気に挨拶するということも効果があります。
そんな原始的な方法で効果があるの?と思う人も多いと思います。しかし、現地にこまめに顔を出すことでトラブルの種を未然に察知し、大きくなる前に対処できることもあります。顔を合わせて元気な挨拶を交わすことで信頼感や親近感が生まれるだけでなく、やましい行動を抑制する効果もあります。
人は顔の見えない、知らない人に対してはいい加減な行動をしてしまいがちですが、顔の見える人の前ではやましい行動をとりにくくなります。
それでもマナーを守らない人はいますが、多くの人は顔が見えることで気を付けてくれるようになります。
8 )まとめ
賃貸経営にはさまざまなリスクが伴いますが、事前にリスクを把握し、適切な対策を講じることで、安定した経営を実現することが可能です。空室リスクや建物の老朽化、自然災害への備え、家賃滞納や入居者トラブルの管理など、各リスクに応じた対策を講じることで、トラブルを未然に防ぎ、賃貸経営の収益性を向上させることができます。
弁護士や保証会社の活用など、専門家の力を借りることで、問題発生時に迅速かつ的確に対応できる体制を整えることも大切です。リスク管理をしっかりと行い、安心して長期的な賃貸経営を目指しましょう。